急性大好き症候群
む、無意識に!?


やだ、ちょっと、何してんの、自分!


まじでどうした、頭おかしくなったか、何か悪いものでも食べたか!?


そんな、目の前の彼女持ちの、しかも寝ている年下の男に、よりによって自分からキスするなんて。


ちらりと太一に目線をやると、あたしの気持ちなどお構いなしにすーすーと寝息を立てて熟睡しているイケメン、太一。


あたし、そんな、肉食系じゃないですよ。どちらかと言えばやられるほうで、いや、ドMではないと思うんだけど、草食系なだけだと思うんだけど、今まで自分からキスなんて……あ、一回くらいはあったかな。


いやでも、自分からキスなんてしようなんて思ったことないし、その前に拒まれたらどうしようとかそんな不安が常にあったからできなかったわけで。


臆病者ですよ、ええ。自覚してますって。


いや、だって、今のは完全に意識の外だったよね。だって、気づいたら太一の唇が……。まさかあたし、太一の色気に侵された?


欲情しちゃったってわけ?


何それ。確かに裕也と別れて、あたしは完全にフリーですけど。そんな、好きとか嫌いとかそんな……。


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