急性大好き症候群
「じゃあ唯織、処女じゃなかったんだ」
目の前の男がすごいことをあっさりと言いのけたもんだから、あたしは口の中のご飯を吹き出しそうになった。
「ちょっと、太一、ご飯中」
「嫌?」
「あまりいい気はしない」
思わず太一の唇に目がいく。
さっきの自分の行動に嫌気がさす。
……寝込み襲ってすみません。
それから一時間後、あたし達はさっきまで寝ていたローテーブルで向かい合ってご飯を食べていた。
あれからしばらく寝顔を眺めていたら、不意に起き出した太一に「なんで起こしてくれなかったの」と怒られ、そのタイミングであたしの腹の虫が鳴って、「ご飯食べていきなよ」と笑った太一の言葉に甘えることにした。
いつも多めに親が残していくと言って分けてくれたのは、白米と味噌汁と回鍋肉。
そういえば、太一の家でご飯をご馳走になったのって初めてかも。
そして、食べながらあたしは裕也と別れた時のことを話していた。
別に太一に何かを求めたわけではない。ただ、なんとなく聞いてほしかったのだ。
「そこまでされてさ、よく元彼の前で平然といられたよね」
太一の口が絶え間なく動く。時々ちらっとあたしを見る瞳がなんだか憎らしい。
完全に眠りからは覚めたらしい。
「怒ってたからかな、元彼にそんなことをされたっていう考えがなかった」
「ふうん。ま、でもよかったんじゃない」
「まあね」
短く答えて味噌汁を啜る。
目の前の男がすごいことをあっさりと言いのけたもんだから、あたしは口の中のご飯を吹き出しそうになった。
「ちょっと、太一、ご飯中」
「嫌?」
「あまりいい気はしない」
思わず太一の唇に目がいく。
さっきの自分の行動に嫌気がさす。
……寝込み襲ってすみません。
それから一時間後、あたし達はさっきまで寝ていたローテーブルで向かい合ってご飯を食べていた。
あれからしばらく寝顔を眺めていたら、不意に起き出した太一に「なんで起こしてくれなかったの」と怒られ、そのタイミングであたしの腹の虫が鳴って、「ご飯食べていきなよ」と笑った太一の言葉に甘えることにした。
いつも多めに親が残していくと言って分けてくれたのは、白米と味噌汁と回鍋肉。
そういえば、太一の家でご飯をご馳走になったのって初めてかも。
そして、食べながらあたしは裕也と別れた時のことを話していた。
別に太一に何かを求めたわけではない。ただ、なんとなく聞いてほしかったのだ。
「そこまでされてさ、よく元彼の前で平然といられたよね」
太一の口が絶え間なく動く。時々ちらっとあたしを見る瞳がなんだか憎らしい。
完全に眠りからは覚めたらしい。
「怒ってたからかな、元彼にそんなことをされたっていう考えがなかった」
「ふうん。ま、でもよかったんじゃない」
「まあね」
短く答えて味噌汁を啜る。