急性大好き症候群
「弘樹、ご飯だって」
「わかったよ……今行くから」
詩織を腕に抱えたままむくりと弘樹が起き上がる。
何度見ても、弘樹と詩織はそっくりだ。顔のパーツの位置がきっちりと合っている。
まあ、それってつまりあたしも二人とそっくりってことなんだけど。
弘樹はもともと反抗期はあまりない。口数は少ないけど、言われたことはちゃんとやる。
「……姉ちゃん」
「何?」
「……太一と、今会ってるでしょ」
「それがどうかした?」
「体の関係もあるよね」
「……それ、誰かから聞いたの?」
太一とのことはあたしは美紗以外には話していない。太一はたぶん誰にも話していないはずだ。
話したら自分の立場が悪くなることは必至だから。
「いや、聞いてない。俺の予想」
「今、疑問形じゃなかったよね」
「……太一はやめた方がいいよ。好きになるの」
「は?」
「親友だからわかるけど、あいつはまじめんどくさい。俺まで精神やられてる」
「……どういうこと?」
「まあ、弟としての忠告。詩織、ご飯食べよー」
弘樹はぼんやりとしたまま部屋を出ていく。詩織は弘樹の腕の中ではしゃいでいた。
弘樹まで精神やられてるって、どういうこと?
「わかったよ……今行くから」
詩織を腕に抱えたままむくりと弘樹が起き上がる。
何度見ても、弘樹と詩織はそっくりだ。顔のパーツの位置がきっちりと合っている。
まあ、それってつまりあたしも二人とそっくりってことなんだけど。
弘樹はもともと反抗期はあまりない。口数は少ないけど、言われたことはちゃんとやる。
「……姉ちゃん」
「何?」
「……太一と、今会ってるでしょ」
「それがどうかした?」
「体の関係もあるよね」
「……それ、誰かから聞いたの?」
太一とのことはあたしは美紗以外には話していない。太一はたぶん誰にも話していないはずだ。
話したら自分の立場が悪くなることは必至だから。
「いや、聞いてない。俺の予想」
「今、疑問形じゃなかったよね」
「……太一はやめた方がいいよ。好きになるの」
「は?」
「親友だからわかるけど、あいつはまじめんどくさい。俺まで精神やられてる」
「……どういうこと?」
「まあ、弟としての忠告。詩織、ご飯食べよー」
弘樹はぼんやりとしたまま部屋を出ていく。詩織は弘樹の腕の中ではしゃいでいた。
弘樹まで精神やられてるって、どういうこと?