急性大好き症候群
「……メールだ」


珍しい。


あたしは美紗以外とはほとんどメールをしないから、メールが届くのはかなり珍しい出来事だ。


「お、まさか?」


途端に美紗の目がキラキラし出す。


美紗の考えていることは予想がつくから、なんとなくうんざりする。


「なわけないでしょ。どうせ迷惑メールか何か…………ん?」


メールボックスを見たあたしの指が硬直した。


「……唯織?」

「太一からだった……」

「やだー!」


美紗が一人ではしゃぎだす。


太一からは最近毎週土曜日にメールが来る。他は来たことがない。


今日はまだ火曜日。なんだかおかしい。


『放課後、俺の家に来て』なんて、学校のある日にこんなメールが来るなんて初めてだ。


部活はいいのかとか、ていうか今日は麻尋ちゃんと会うべきじゃないかとか、疑問に思うことはたくさんあるけど、呼ばれたら断ることはあたしにはなかった。


太一は、たぶんそれをわかっていると思う。


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