急性大好き症候群
06.嫉妬する彼女
お盆の時期になって、美紗から地元の夏祭りに行こうと誘われた。
あたしと美紗は小さい頃からの幼なじみ。地元も一緒だ。
その日の夜、美紗と待ち合わせして祭りの会場である地元の小学校に向かった。
「美紗、浴衣で来るならそう言ってよ。あたしも浴衣着たかったのに」
「唯織、浴衣持ってたっけ?」
「持ってるよ。今年はもう着る機会ないかもなあ」
なんだかんだで夏休みもあと十日くらいだし。
夏休みは部活と課題と太一の数学の指導であっという間に過ぎ去ろうとしていた。
夏休みの一ヶ月が経つのは早い。
「あ、じゃあ、板垣くんを祭りに誘えば? 来週あるでしょ、でっかい花火祭り」
「一緒に行ってくれるかな……」
「あのね、唯織、あんたは仮にも板垣くんの彼女なんだよ。誘って何が悪いの? お祭りはカップルで行くもんでしょ?」
そうでした。
あたしだって、裕也とお祭りに行きたい。
カップルらしいデートをちゃんとしたい。
まだ好きなんだから。
あたしと美紗は小さい頃からの幼なじみ。地元も一緒だ。
その日の夜、美紗と待ち合わせして祭りの会場である地元の小学校に向かった。
「美紗、浴衣で来るならそう言ってよ。あたしも浴衣着たかったのに」
「唯織、浴衣持ってたっけ?」
「持ってるよ。今年はもう着る機会ないかもなあ」
なんだかんだで夏休みもあと十日くらいだし。
夏休みは部活と課題と太一の数学の指導であっという間に過ぎ去ろうとしていた。
夏休みの一ヶ月が経つのは早い。
「あ、じゃあ、板垣くんを祭りに誘えば? 来週あるでしょ、でっかい花火祭り」
「一緒に行ってくれるかな……」
「あのね、唯織、あんたは仮にも板垣くんの彼女なんだよ。誘って何が悪いの? お祭りはカップルで行くもんでしょ?」
そうでした。
あたしだって、裕也とお祭りに行きたい。
カップルらしいデートをちゃんとしたい。
まだ好きなんだから。