急性大好き症候群
02.浮気性彼氏と一途な彼氏
次の日の朝はいつもより早く家を出た。
特別な理由なんてない。
ただ、早く行けば二人で話せると思ったから……。
あの人はいつも早く来ていた。
だから、たぶん今日も……。
それだけ。
たったそう思うだけで不覚にもあたしの胸は高鳴る。
皮肉なものだ。
学校までは徒歩十五分。
二階まで階段を上がり、教室のドアを開けた。
やっぱり、いた……。
「……裕也」
ドアを開けた音に反応して、机に座っていた一人の男子が、あたしの方に振り向いた。
「唯織。おはよう」
クラスメートの板垣裕也があたしに笑いかける。
優しそうな王子様を連想させる笑顔。
この笑顔が、大好きだった。
特別な理由なんてない。
ただ、早く行けば二人で話せると思ったから……。
あの人はいつも早く来ていた。
だから、たぶん今日も……。
それだけ。
たったそう思うだけで不覚にもあたしの胸は高鳴る。
皮肉なものだ。
学校までは徒歩十五分。
二階まで階段を上がり、教室のドアを開けた。
やっぱり、いた……。
「……裕也」
ドアを開けた音に反応して、机に座っていた一人の男子が、あたしの方に振り向いた。
「唯織。おはよう」
クラスメートの板垣裕也があたしに笑いかける。
優しそうな王子様を連想させる笑顔。
この笑顔が、大好きだった。