急性大好き症候群
結局太一に負けてチューハイの残りを飲み干してしまった。


顔が妙に熱い。


「うー、酔ったあ」


ベッドに寝転がって、太一は腕で頭を押さえた。


「まだ中学生なのに一気に飲むからだよ」

「一気はダメなの?」

「常識だよね……」


太一の頬に手を当てる。熱かった。


「もう寝た方がいいよ。明日の数学、やった?」

「やったけど……」


太一が唸る。けっこうきついらしい。


「あたし、もう帰るよ」

「今何時?」

「九時半」


あたしが立ち上がって床に置いてある鞄を手に取ると、後ろから服を捕まれた。


「もう少し、傍にいて……」


さっきよりも目を潤ませて懇願するようにあたきを見てくる。


あたしが弱いこと知ってて、わざとやってんのか?


「……少しだけね」


あたしは太一に甘いらしい。


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