私の彼氏は俺様です
「あたし、知ってたよ?
陸が資料集ほんとは忘れてないこと」
「…は?何で知って…」
あたしの方を見て
怪訝そうな顔をした陸。
陸があたしにくれたその優しさ、
忘れないからね?
「ふふっ、ありがとね?陸」
「……別に…」
陸の顔を少し覗き込んだら
ほんのり赤かった。
照れてる…?
そんな陸が、かわいかった。
「でもそのかわり」
「ん?」
陸は歩道の真ん中で
あたしの方を向いて立ち止まった。
「本当に苦しくなったら
早く言え。辛そうなお前を見るのは
俺だって辛い」
陸がまた、優しさをくれた。