マーメイ ~人魚姫の恋~
キースが途端に目を見開く。
そして次の瞬間。
鯨が潮を上げたときのような、
まるで海の波が一斉に弾けたみたいに、
彼は笑った。
「ま...じで俺で...いいの?」
「...キースが...いいの」
「...なんか...信じらんねーや...」
「なんか...実感わかないね...」
「お、おう...でも、今おれ、すっげー嬉しい」
「...私もっ...」
今この瞬間から、私たちは恋人になったのだ。
嬉しくって、くすぐったくて。
でも、ただただ、嬉しい。