マーメイ ~人魚姫の恋~
キースと出会って、すっかり忘れていた。
「あのね、キース。私そもそもこのリングの持ち主を捜してるんだけど・・・。」
「見せて。」
言うが早いか、キースは私の胸元のリングに手を差し伸べた。
キースの青くて綺麗な髪が肌に触れ、私の心臓は高鳴った。
心臓の音が、キースに聞こえてしまわないかしら・・・?
そしてキースはしばらくリングを眺めていたが、やがて確信したような顔になり、
私を見つめてきた。
「マーメイ・・・。これ、俺のだわ・・・。」
嗚呼。
これは偶然か、運命か。
海で輝いていたリングは、私を未知の「人間」へ。
そして・・・。彼へと、導いてくれたのだろうか。