マーメイ ~人魚姫の恋~
人間。
「・・・はあ・・・。」
どれくらい時間が経ったのだろうか。
意味の分からない感情がまた別の悲しみを思い出させて、
涙が止まらなくなってしまった。
で、今やっと泣きやんだところである。
「・・・。もう大丈夫か?」
その間、キースはずっと頭を撫でていてくれた。
・・・。思い出すと恥ずかしい・・・。
「キース、ごめんね。」
私は恥ずかしくも申し訳なくなり、とりあえず謝ってみた。
「いいよ、別に。」
彼は優しく微笑んでくれた。
今日初めて逢ったのに。
なんでこんなに優しくしてくれるんだろう。
キースは「人間」で、私は「人魚」で。
キースは私のこと、怖くないのかな・・・?