マーメイ ~人魚姫の恋~
キースがふと発した言葉は、私の身体を熱くした。
「・・・キース・・・・。」
「ん?」
「・・・なんでも、ない、です・・・」
何故か私が発した言葉は、とてもぎこちなくて。
心臓はドキドキしていた。
「マーメイ?どうした?疲れた?」
キースは心配してしまったようだ。でも、違うんだよ。
「・・・。えと、うんと、大丈夫・・・」
「ホントに?」
「うん。とっても元気だよ!」
「・・・そか」
キースは優しく微笑んだ。
私は、キースのこの笑顔が好きだ。
キースは私を無邪気と言ったけれど、キースの方がよっぽど無邪気な気がする。