マーメイ ~人魚姫の恋~

キースがふと発した言葉は、私の身体を熱くした。

「・・・キース・・・・。」

「ん?」

「・・・なんでも、ない、です・・・」

何故か私が発した言葉は、とてもぎこちなくて。

心臓はドキドキしていた。

「マーメイ?どうした?疲れた?」

キースは心配してしまったようだ。でも、違うんだよ。

「・・・。えと、うんと、大丈夫・・・」

「ホントに?」

「うん。とっても元気だよ!」

「・・・そか」

キースは優しく微笑んだ。

私は、キースのこの笑顔が好きだ。


キースは私を無邪気と言ったけれど、キースの方がよっぽど無邪気な気がする。
< 49 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop