マーメイ ~人魚姫の恋~
次の日。
私はお父様、お母様が街へ出るのを見計らって城を後にした。
まだ、随分朝早くのようだ。
朝日が昇っている。
近くに船は見あたらない。
「・・・よし。探すか。」
とりあえず目的である、このリングの通ったペンダントの持ち主を捜すことにした。
・・・。とは言ったモノの・・・。
「どこをどう探せばいいのかなあ・・・。」
勿論、人間のお友達なんて居るはずもない。
つまり、宛がない。
「・・・・はははは・・・」
自分の用意の悪さに悲しくも笑えてきた。
「さて、どうするかなあ」
宛もなく、ただ朝日を見つめていた。