マーメイ ~人魚姫の恋~
俺はそれから彼女と少し話をした。
どうやら水は絶対なくてはいけないわけではなかったらしい。
そして・・・。
「貴方、名前は?」
彼女は唐突に聞いてきた。だから俺は・・・。
「・・・キース」
「フルネームは?」
・・・・。このコ、自分からは名乗らないのかな・・・?
「・・・・キース。キース・ブルー」
「キース・・・」
彼女の唇から紡がれた自分の名に、俺は少し、心拍数が上がった気がした。