マーメイ ~人魚姫の恋~
朝日を眺めていると、ふいに魚さんの声が聞こえた。
私たち人魚は、海の生き物とお話しできるのだ。
声の聞こえる方に潜って行くと、そこには網にかかったお魚さんがたくさんいた。
「・・・酷い・・・」
こんないたいけなお魚さんを網に・・・。
「大丈夫?」
私が話しかけると、お魚さんは「助けて」と言った。
私は力を入れて、その網を引っ張った。
が、少し破れただけだった。
「・・・あれれ?」
しかし、お魚さんにはそれで十分の大きさだったらしく、次々と穴から出て行った。
みんな、口々に「人魚さんありがとう」といいながら。
最後一匹が穴から出て、
「・・・貴方は綺麗な髪の色をしているのですね。 とても不思議な色・・・。吸い込まれ そうだわ・・瞳も、とっても澄んでいる・・・。」
「そ、そう?」
私はなんだか恥ずかしくなったので思わず俯いてしまった。
「・・とにかく、ありがとうございます!この恩は忘れません!!」
そう言ってお魚さんは去っていった。
私は気恥ずかしさで頬が赤くなっていた。
しばらくぼ~っとしていたが、本来の目的を思い出して、
急いで水面へ出ようとした。
しかし。 私の腰ほど間である髪が、嗚呼、なんということ・・・。
網に、引っかかった・・・・。