学園王子と平凡娘


「ふっ………俺、那緒ちゃんから離れられなくなりそう………」


葛西先輩はそう言って私を抱き締めている腕の力を強くした。


「…………わたしも…………」


聞こえないくらい小さな声で言った。


「へ???」


「何でもないですよ…………」


今までに感じたことのない感情が私の中をぐるぐる回っている。


恋ってこういうことなんだ……


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