学園王子と平凡娘


冬実さんは最後まで一緒にいた。


全然、先輩と話せなかった…………

ずっと、冬実さんがくっついてるから………


「はぁ、今日は、楽しかったな!!!!」


「そっか。じゃ、俺は奈緒ちゃんを送って帰るから、気をつけて!!」


そ、そうだ!!まだ先輩と………


そう思った時、


「なに??幼なじみより彼女とるわけ??」


「当たり前だろ!?!?!?」


先輩がそう言った後、冬実さんが先輩の腕に抱きついた。


「冗談よ!!ねぇ、奈緒ちゃんの後でもいいから送ってよ??」


私の後??
冬実さんと先輩が二人っきりになっちゃうじゃん………


そんなのいや…………


気づいたら私は冬実さんがくっついてる逆の腕を掴んでいた。


「な、奈緒ちゃん!?!?!?」


「………いやです…………」


「え??」


「私、今日、先輩と全く話せてません………付き合ってから初めてのデートだったのに……」


こんなこと言って…………
私、先輩に嫌われちゃう………


「じゃあ、先に冬実を送ろうか!!」


「え??あ、………はい………」


先輩に従うしかなかった。
だって、先輩がすごくかわいい笑顔見せるんだもん………







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