To beloved Mr.Rabbit【短編】
恋の国へ
私は多分、他の子とは違うと思う。
特別頭がイイ訳でも、可愛い訳でもない。
もちろん空を飛んだりする特殊能力がある訳でもない。
ただ少し、変わっているんじゃないかな。と、自分でも思う。
仲良しの女の子達は、彼氏の話や好きな男の子の話で盛り上がっているけど、私はその話題にはついていけない。
そういう話が嫌いな訳じゃない。
私だってもう高校三年生だし、恋に恋する年頃……も終わりかけな気もするけど、男の子を好きになりたいと思ってる。
でも「好き」って気持ちが分からないんだ。
本物の男の子を好きになれないと言うか……現実の男の子はまだまだ子供で、私はもっと大人な人がイイ。
マンガに出てくる様な、爽やかで優しくて頭が良くて。
そんな人。
私を不思議な恋の国へ連れて行ってくれるウサギさんを、待っているの。
そして私、ありすは、あなたに出逢いました……。