To beloved Mr.Rabbit【短編】
「とにかく、お前が俺を想う気持ちは、恋とかそんなんじゃない」
ほら、また眉をひそめて笑うんだ。
だから私は、どうしようもないこの気持ちを、行動で表す事しか出来ないんだ。
二人の長い沈黙。
重なった唇から、想いが伝わればイイのに。
温かい唇の熱を共有しながら、また、涙が溢れた。
ねぇ、どうして先生は私を拒絶しないの?
どうして今もこうやって、私を受け入れてくれるの?
たった三週間しか顔を合わさないんだから、私を拒絶しても、後腐れなんてないのに。
唇が離れた時、お互いの視線が絡み合った。
私はその距離に耐え切れずに俯く。
「ウサギさん、私の気持ちを否定しないで」
俯くと、先生の脚しか見えない。
だから私は、何だって言えそうな気がした。
「恋とか、好きって感情とか、ホントはよく分からない。
だけど私はウサギさんと一緒に居たいって思ってる。一緒に居ると楽しいし、ドキドキするし、他の人には感じない気持ちがある。キスしたいって思う。
恋とか、好きとか、そんなのはただの名詞でしょ?この気持ちに名前なんていらない。
私はウサギさんと一緒に居たい」