To beloved Mr.Rabbit【短編】
約束の国へ
その次の日。
あの日から言うと明後日の今日。
放課後になるまで、先生とは一度も会わなかった。
それもそのはずで、お互いの携帯番号なんか知らないし、兎田先生が私を呼び出す訳にも、ましてや会いに来る訳にもいかない。
私だって尚更会いになんて行けない。
今日は教育実習、最終日。
今日を逃したら、もう先生とは会えなくなる。
一人、教室の自分の席に座り、窓の外を眺める。
もう日は短く、空は茜色をしていた。
ここでこうしていても、先生に会える保証はない。
そういえば教育実習中の先生は、車で学校に来ちゃいけなくて、みんな交通機関を使っている。
校門で待っていれば会えるかもしれない。
私は鞄を掴んで、校門へと急いだ。