To beloved Mr.Rabbit【短編】
もしかしたら、これが恋なのかもしれない。
今まで男の人に、こんな気持ちになった事なんて無かった。
恋って、こんな気持ち?
教育実習は三週間。
私はこの三週間に勝負を掛けるしかない。
それからというもの、私は足しげく兎田先生の元へ通った。
一組に居ない時は職員室。
職員室に居ない時は数学準備室。
何処にも居ない時は全校回った。
初めは爽やかな笑顔を向けてくれていた先生だったけど、それが段々苦笑いに変わっていった。
でも私は負けられない。
「ねぇウサギさん、好きなんだってばぁ」
「ガキには興味ないって言ってるだろ。つかその呼び方もやめろ」
文化祭から二週間。
私はあの後すぐ、兎田先生に告白した。
人生で初めての告白。
兎田先生はやんわりと優しく断ってくれたけど、私は諦めなかった。
だって初めての恋だし。
簡単には諦められない。
フラれたんならもう怖い物なんて何もないって勢いで、私は兎田先生をウサギさんと呼ぶ様になり、毎日の様に告っている。