To beloved Mr.Rabbit【短編】
「ウサギさんはどうすれば私を好きになってくれるのかな……」
呟く様に、さり気無く問い掛ける。
でも案の定、先生は答えを返してはくれない。
「初恋なのにな……」
また呟く私に、先生は溜め息を吐いた。
私が初めて告白した時、先生は言っていた。
『そのくらいの年頃の子はみんな、年上に憧れるモンだから。相手が俺じゃなくても、きっと同じ気持ちになってたよ』
そうなのかな……。
私は、年上だったら誰でも良かったのかな。
『それに俺は、君が思っている程大人じゃない』
そんな事……ない。
でも私は、何で先生が好きなんだろう?
「好き」って気持ちを認識したのは、この胸の高鳴りから。
初めて感じた気持ち。
これを恋って言うんだよね?
ありすは、ウサギさんにやっと出逢えたんだから。