純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
私……。
崖っぷち女。
桐生さんの言うとおり、30までのカウントダウンが頭の中で鳴り響く。
でも、歩と……。
彼はきっとプロポーズなんてしない。今までのように自由に羽ばたいていたい人だ。
そして、もしプロポーズされて彼と結婚したとしても、彼はきっと変わらない。ずっと、私だけを見てくれる人ではない。
そんなことに、ずっと前から気がついていたのかもしれない。
「安永、手伝え」
「――はい」
茫然としていた私に、もう一度声をかける彼。
その後二人で、模擬挙式のための備品を確認して、段取りを話し合って、そこを後にした。