純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「木本様、大丈夫ですよ。きっと一時的な気の迷いですよ」
「優しいんですね、安永さん」
「いえっ、ぜんっぜん、優しくなんてないですよ!」
『優しいですね、安永さんって惚れられないように気を付けろ。あいつと結婚してもいいなら別だけど』と言った桐生さんの言葉を思い出して、思わず強く否定してしまう。
申し訳ないけれど、結婚詐欺に遭うような男は、私だってごめんだ。
やっとのことで木本様の手続きを終えると、こんな仕事もう二度としたくないと思うほど、ぐったりと疲れていた。
「金が振り込まれるまで、気を抜くな?」
「わかってます」
そんなこと、言われなくたってわかってますよ!