純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
ブーケは
サロンを閉めても、私たちはすぐに帰れるわけではない。
その日、遅番だった私は、サロン内の掃除をしてスタッフルームに戻ると、早番でもう帰っているはずだった桐生さんが残っていた。
「お疲れ様です。まだ帰られないんですか?」
「まぁな」
この人、相当嫌味な男だけど、こなす仕事の量は半端ない。
自分の担当以外にも、私達部下の担当のお客様のことまで知っていないといけないのだから。
そういう意味では尊敬しているんだけど……。
「あっお前、明日、お客様と打ち合わせの予定あるか?」
「いいえ、ありませんけど」
「なら、頼んだ。司会が風邪ひいて声が出ないんだと。お前、仮面かぶっていい顔するの得意だろ?」
「なんですか、それ」
彼が私に差し出したのは、明日の結婚式の式次第。そして、色々なデーターの書かれた分厚いファイル。
「断れないから。仕事ね、これ」
披露宴の司会も、一応経験がある。だけど、こんなに突然なのは初めてだ。
「わかりました」
売り言葉に買い言葉で、そう返事をした私。
フッと鼻で笑ったあいつに、上手く乗せられたような気もするけれど、こうなったらやってやろうじゃないの。
その日、遅番だった私は、サロン内の掃除をしてスタッフルームに戻ると、早番でもう帰っているはずだった桐生さんが残っていた。
「お疲れ様です。まだ帰られないんですか?」
「まぁな」
この人、相当嫌味な男だけど、こなす仕事の量は半端ない。
自分の担当以外にも、私達部下の担当のお客様のことまで知っていないといけないのだから。
そういう意味では尊敬しているんだけど……。
「あっお前、明日、お客様と打ち合わせの予定あるか?」
「いいえ、ありませんけど」
「なら、頼んだ。司会が風邪ひいて声が出ないんだと。お前、仮面かぶっていい顔するの得意だろ?」
「なんですか、それ」
彼が私に差し出したのは、明日の結婚式の式次第。そして、色々なデーターの書かれた分厚いファイル。
「断れないから。仕事ね、これ」
披露宴の司会も、一応経験がある。だけど、こんなに突然なのは初めてだ。
「わかりました」
売り言葉に買い言葉で、そう返事をした私。
フッと鼻で笑ったあいつに、上手く乗せられたような気もするけれど、こうなったらやってやろうじゃないの。