純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~

「おはようございます」

「おはよう」


私の顔をチラッとみた桐生さんは、すぐに仕事のファイルに視線を戻す。



昨日、彼の言うとおり、とりあえず泣いた。

けれど、途中でなんでこんなに泣いているのか分からなくなって……一瞬にして涙が引っ込んだ。



歩を失ったことは、大きな痛手だ。
けれど、なんとなく肩の力が抜けたのは確か。

ずっと胸の内に秘めて、決して出さなかった感情をああして吐き出したことで、自分の気持ちを再確認して、ガクンと力が抜けて行った。




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