純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
時々こうして同席してもらうこともある。その方が、スムーズに行く話もたくさんあるから。
私が彼の分のコーヒーも淹れてテーブルに向かうと、初対面だというのに、もうすっかり打ち解けた様子の歩がいた。
やっぱり歩は仕事ができる。
軽快なトークで、相手の懐にすっと入っていく力がある。
「安永さん、正式に契約させていただきます」
「ありがとうございます」
ものの数分でまとまった話。
歩の豊富な知識から、旅行先のおすすめスポットというオプションまで付けて。
「ここは現金を多めがいいですよ。カードが使えないところも、意外にあるんです」
私には絶対にできない話だ。
「そうなんですか。そういうこと、全然分からなくて助かります」
「楽しいご旅行になるといいですね」