純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~

お二人を、歩と二人で見送った後、彼から必要な書類を差し出される。


「これと、これと……後、これはここの控えね」

「うん。ありがとう」


それらが入った封筒を彼から差し出されて、それに手を伸ばした時、彼が真剣な顔をして口を開いた。


「梓、ちょっといい?」

「――うん」


二人で、休憩室に移動する。
そこにある自販機で、ミルクティーを買ってくれた彼は、私にそれを差し出した。


「ありがとう」

「あのさ」


彼もコーヒーを手にして、隣に座る。


「ホントに悪かったと思ってる。俺、お前の事、分かってるつもりだったのに、何も分かってなかったな」

「――ううん」


言わなかったのは私だもの。
私も、悪い。




< 154 / 311 >

この作品をシェア

pagetop