純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
第3章
模擬挙式
「安永、すぐ来れるか?」
「えっ? まぁ」
「30分以内に教会に。タクシー使っていいから」
遅番のその日、桐生さんからの電話で叩き起こされた私。
何かアクシデントもあったんだろうか。30分じゃメイクだって儘ならない。
すぐに着替えを済ませて、タクシーに飛び乗る。
今日は、模擬挙式の日。
けれど、午後からだから、私は10時出勤のはずだった。
昨日の夜、遅くまですべての備品をチェックして、衣装や生花の手配も確認した。あとは、早番の人に、計画書通りに準備をしてもらえばよかったはず。
何も手抜かりはないはずなんだけど……。