純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「聞いてないの? さっき、高速で事故があってね、止まっちゃったみたいなの。それで、そのとばっちりで、新郎役も新婦役も、模擬挙式までにメイクとか間に合いそうになくて、それで急遽ね」
その言葉を聞いて、一瞬固まる。
「待ってください、私が変わり?」
「そう。桐生さん、そう言ってなかった?」
私はブルブルと首を横に振った。
「無理ですよっ。なんで、どうして? 他にもっと若い子いるじゃないですか」
「若いだけじゃダメなのよ。今日は失敗は許されないわ。段取りを全部理解していて、卒なくこなせるのって、安永さんくらいだっていうのが共通の認識」
「えーっ、でもっ」
私がブチブチ言っている間にも、メイクさんの手はテキパキ動いていて。