純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~

「聞いてないの? さっき、高速で事故があってね、止まっちゃったみたいなの。それで、そのとばっちりで、新郎役も新婦役も、模擬挙式までにメイクとか間に合いそうになくて、それで急遽ね」


その言葉を聞いて、一瞬固まる。


「待ってください、私が変わり?」

「そう。桐生さん、そう言ってなかった?」


私はブルブルと首を横に振った。



「無理ですよっ。なんで、どうして? 他にもっと若い子いるじゃないですか」

「若いだけじゃダメなのよ。今日は失敗は許されないわ。段取りを全部理解していて、卒なくこなせるのって、安永さんくらいだっていうのが共通の認識」

「えーっ、でもっ」


私がブチブチ言っている間にも、メイクさんの手はテキパキ動いていて。




< 161 / 311 >

この作品をシェア

pagetop