純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「ちょっと胸元が開くんだけど、キスマークとかついてないでしょうね」
「えっ、あっ」
「冗談よ。安永さんって、意外と純情なんだね」
クスクス笑われて、益々真っ赤になる。
「まず、下着をつけて。おっぱいは持ち上げて入れられるだけ入れるのよ?」
「えぇぇっ――はい」
流れ作業に乗せられた私。
メイクさんと衣装さんの言うとおり、アタフタしながら着替えを済ませる。
「いいじゃない。やっぱり似合ってる。ベールも付けるわね。指輪、何号かしら?」
「えっと、9号です」
「了解」
指輪……模擬挙式だもの、一通り全部するんだ。
何度か立ち会ってきたけれど、毎回、本物の挙式さながらに感動する。
そんな式が私にできるだろうか。
だけど……やるしかない。