純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~

「ちょっと胸元が開くんだけど、キスマークとかついてないでしょうね」

「えっ、あっ」

「冗談よ。安永さんって、意外と純情なんだね」


クスクス笑われて、益々真っ赤になる。


「まず、下着をつけて。おっぱいは持ち上げて入れられるだけ入れるのよ?」

「えぇぇっ――はい」


流れ作業に乗せられた私。
メイクさんと衣装さんの言うとおり、アタフタしながら着替えを済ませる。


「いいじゃない。やっぱり似合ってる。ベールも付けるわね。指輪、何号かしら?」

「えっと、9号です」

「了解」


指輪……模擬挙式だもの、一通り全部するんだ。
何度か立ち会ってきたけれど、毎回、本物の挙式さながらに感動する。


そんな式が私にできるだろうか。

だけど……やるしかない。



< 165 / 311 >

この作品をシェア

pagetop