純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
大きな鏡に映った自分。
まさか、こんな風にドレスを着るなんて、思ってもいなかった。
ずっと憧れていた挙式。
本当のものではないとはいえ、何だかこみあげてくるものがある。
歩と別れたばかりなのに、こんな機会が巡ってくるなんて何だか皮肉。
けれど、これも仕事。割り切って頑張ろう。
「安永さん、もう出ます」
「はい」
「大丈夫。とっても綺麗よ」
緊張気味の私に、メイクさんがそう話しかけてくれる。
「行きますよ?」
「――はい」