純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
教会の大きなドアの前に立つ。
これが開いたとき、きっとお客様の視線が降り注ぐだろう。
緊張する。だけど、今日を楽しみにしていたお客様もいらっしゃるから、できるだけの事はしなくちゃ。
父親役のモデルさんの腕を取った私。
あれっ、新郎役も来られないんじゃなかったっけ。
そんなことを思ったのも束の間。すぐにパイプオルガンの音が響いて、ドアがゆっくり開けられた。
ここで深く一礼。
いつも自分が説明していることを実践する。
ドキドキする。偽物とはいえ、挙式だ。
痛いほどの視線を感じて、顔を挙げた時、バージンロードの先に見えた人影。
シルバーグレーのタキシードに身を包んだ背の高い男は……。
えっ……。