純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
そうか。
私と同じように、式の流れについて熟知していて、代役ができそうなのって……。
驚いている場合じゃない。
すぐに歩みを進めなければならない。
本当の式ではないから、参列客の場所には、たくさんのカップル。
そして、いつも以上に熱い視線が降り注ぐ。
周りにはたくさんのスタッフ。よく知っているスタッフの前で、失敗したら一発でばれる。
ドレスの裾を踏まないように、少しドレスを持ち上げて、スカートのすそを蹴り上げるように歩く。
いつも新婦様に言っていることだけど、こんなにぎこちないものなんだ。
やがて新郎のところにたどり着いて、新郎の――桐生さんの――腕を取る。
はぁ。
なんでこの人……。