純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
すごく綺麗な顔してるんだ。睫は長いし、顔も小さい。
そんなことをとっさに思った私は、その顔が近づいてくるのに、意を決して目を閉じた。
目を閉じていれば、終わる……はずだった。
きっと、ギリギリまで近づいて、それで終わり。
だけど……。
桐生さんの手が、私の肩に置かれる。
そして、確かに唇に感じる柔らかい感覚。
一瞬冷たいような感じがしたけれど、違う。とても温かい。
何秒くらいだったのか。とても長く感じたそれが、ゆっくり離れて行ったとき、そっと目を開けると、平然とした顔の彼。
えーっ。今、本当にした?
何で? 何でよ!