純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
迫る危機
「あっ、安永さん。事務所の方に、お客さんがいらっしゃったみたいですよ。でも、出払っていると、留守番していたスタッフが話を聞こうとしたら、じゃあいいって帰られちゃったみたいです」
「えっ、誰かしら」
「えーっと、前にドタキャンした、確か……」
「木本様?」
「あぁ、そうです。木本様お一人でしたが」
木本様にはキャンセル料を頂いてから、特に連絡もない。もしかして、お相手が戻ってきたとか?
でも、詐欺じゃなかったんだろうか。
「分かった。連絡してみるね」
すぐに電話を入れてみたものの、それは留守番電話につながるだけで、何の反応もない。
仕方ないので、名前だけ吹き込んで、それを切った。