純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「ごめん。疲れたからお先にね」
まだ仕事をしていた数人にそう告げて、事務所を出る。
早番の時以外、後輩より先に帰ることはあまりないんだけど。
若いスタッフが増えてからは、いつの間にかベテランクラスになってしまっていて、なんとなく、他のスタッフの事も気になるようになって……。
家の近くのコンビニで、ビールとおつまみになりそうなものをカゴに突っ込む。
呑んでやる。
あの男、許可なくキスなんてしやがって!
ひとりになると、あの感覚がリアルに思い出されて……。
もう、ムカつく!
唯一良かったことといえば、スタッフの誰にもバレていないということだけだ。
なんだか頭に血が上って、一人でイライラする。