純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
その作業が終わってしまうと、真っ白になった頭がほんの少しだけ働きだす。
何て、言った?
あの男、どさくさに紛れて何て?
「どどどど、どうぞ」
「いちいちどもるな。メンドクサイな」
何よ。それが好きな女に言う言葉?
好きな?
あまりに突然の事で、頭の中がプチパニックしている。
私の差し出したカップに手を伸ばして、コーヒーを一口飲む彼。
彼は少し濃い目のブラックが好きだ。
「美味いな、これ」
「ありがとうございます。あぁぁっ、あのっ……」
「冗談だから、気にするな。それより、どうするか……」
そう言ったきり何かを考えているような彼は、カタンとカップをテーブルに戻す。
冗談?
冗談言うのに、3回もキスするなんて!