純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「あ、あのっ」
「ウルサイな。なんだ?」
「あの手紙の人が木本様だと分かっていたんですか?」
「確証はなかったけどな。今日、店に来て、しきりにお前を出せって要求するから、もしかしてと思って。それに、あいつのキャンセルした新婚旅行、西海岸だっただろ?」
流石だ。
そんなことまで知っているなんて。
「えぇ、まぁ」
「言っただろ。好かれないように気をつけろって」
「そんなこと言ったって……」
特別、何かをしたわけじゃない。他のお客と同じように接しただけ。
「そうだな。お前の偽笑いは、間違ってはいなかったな」
「なに、それ」
やっぱりムカつく目の前の男。だけど、いつの間にか震えは止まっていた。