純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「5分で用意しろ」
「はーっ、無理だし」
「無理なら置いていく」
「意地悪男!」
「うるさい、純悪女」
慌てて寝室に駆け込んで、バタバタと準備する。
明日の着替えと、メイク道具と……。
ルイヴィトンの小さなボストンバッグに、ポンポンそれを放り込んでいく。
「あと、3分」
くそー。今回は私の方が明らかに弱い立場だ。
この部屋に、一人でいるなんて、拷問に近い。
「あと1分だぞ?」
リビングから憎らしい言葉が響いてくる。
「セーフ。あっ、パジャマ……」
「そんなもの貸してやる。タクシー呼んだから早くしろ」
もう靴を履きかけている彼に、慌ててついて行く。
丁度マンションの下についたタクシーに乗り込んだ私たちは、彼の部屋へと向かった。