純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
鼓動
「流石、ですね……」
桐生さんのマンションは、もちろん初めてだった。
私のところとは違い、オートロック。そして、随分新しく感じるそこは、外灯でさえもお洒落な気がする。
「あっ……」
彼が部屋のドアを開けた時、私はハッと立ち止まった。
お前の事、好きだから……。
そんな彼の言葉を思い出して。
それ以上の恐怖で、その時は上手く飲み込めなかったけれど、それって……少しは本気だったりする?
「何、今頃ためらってるんだ。大丈夫だ。家賃代わりにセックスを要求したりはしない」
「なっ、何言って……」
彼が私の手首をグイッと引っ張って、無理矢理部屋に入れる。