純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「嫌ならおとなしくしてろ。
お前は無防備すぎる。抱かれてもいいと思う男以外の前で、気を許すな。純悪のくせして、人を信じすぎだ」
ギュっと手首を握られて、動けなくなってしまった私。
そうかもしれない。
あまり誰の事も疑う事なんてなかった気がする。歩の事も……。
そんなことを考えていると、ポロッと涙が零れていく。
「泣くな」
桐生さんが手の力を緩めて、困った顔をする。
「心配なんだ、お前が。あぁっ、もう」
珍しく余裕のないように見える彼は、自分の胸に私の頭を引き寄せた。