純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
プロのプライド
「安永、遅刻するぞ」
突然のそんな声に、ハッと目を覚ますと、見知らぬ景色。
私……昨日……。
あれから彼の温もりに包まれて、ウトウトしてしまったような。
けれど、ベッドに寝ていた。
「おはようございます」
寝ぼけ眼でリビングに顔を出すと、コーヒーのいい匂い。
「だから、そんなに無防備なまま出てくんな!」
「あ……」
ぼさぼさの髪に、彼に借りたスゥエット姿。
慌てて、洗面所に駆け込んで顔を洗うと、少し血の気のない自分の顔。
これではだめだ。こんな覇気のない状態では、仕事に差し支える。何より、お客様には関係がない。
それに……桐生さんがきっと守ってくれる――。