純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
持って来た白いブラウスに手を通すと、少しだけ気持ちがシャンとしてきた。
簡単に化粧を施して、もう一度リビングに顔を出すと、もうすっかり準備ができていた彼。
見慣れたはずの黒いスーツも、違う場所で見ると、何だか新鮮だ。
「あれっ、ちょっと早くないですか?」
時計に目をやると、出勤時間より随分早い気がする。
「俺。朝飯食わないから何もないんだ。とりあえず、何か食ってから行くぞ」
コーヒーカップをそこに残して立ち上がる。
「車ですか?」
「あぁ、今日は出るから」
「えっ、あっ……そう、ですね」
時々外回りがある時は、彼は車で出勤する。
そういえば、ドレスのメーカーの、新作発表があるんだった。