純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「あれっ、お二人が一緒なんて珍しいですね」
会社に着くと、優奈ちゃんが声を上げる。
「あぁ、そこでトロトロ歩いているのを拾ってやったんだ」
「何ですか、それ」
相変わらずの憎まれ口に、やっぱりムカついたけれど、デスクの上のメモを見て、一瞬にして震えあがった。
木本様からお電話がありました。折り返してほしいそうです。
それを手にしたまま動けなくなった私の異変に気がついた彼が、私からその紙をヒョイっと奪う。
一瞬、眉間にしわを寄せたけれど、すぐにいつものポーカーフェイスに戻った。
「俺がしておく」
「――はい」
やっぱりこのままでは済まないのかもしれない。
木本の執念を恐ろしく感じた。