純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
今日は……私が遅番で、彼はお休みだったっけ?
身支度を整えて再びリビングに向かうと、彼はいつの間にか着替えを済ませていた。
「すいません。ご迷惑をおかけしました。自分の部屋に戻ります」
もう、警察にいる木本が部屋に来ることはないだろう。
少し怖い気持ちもあったけれど、もうこれ以上、迷惑をかけられない。
「お前、しばらく仕事を休め。そんな精神状態で笑うのは辛いだろ?」
「えっ……」
「昨日、社長には話を通しておいた。有給も溜まっているみたいだし、1週間程度はOKだそうだ。すぐに担当の挙式はないだろ?」
「はい、そうですが……」
「これは、上司命令」
正直、少しホッとしていた。
彼の言うとおり、今まで通り笑っていられる自信がない。
けれど、接客の仕事となれば、それは必須。
そして、この首の痣が気になって、きっと仕事に打ち込めない。