純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「ねー、桐生さん。冷蔵庫空っぽですけど?」
冷蔵庫の中身といえば、ビールとミネラルウォーターばかり。
「仕方ねぇな」
そう渋々立ち上がった彼は、玄関へと歩いていく。
「何してる? 行くぞ?」
「はっ? どこに?」
「食うもんないんだろ? スーパー」
彼がスーパーで買い物する姿なんて、何だか想像できない。
クスッと笑いを漏らすと、不機嫌な顔をした彼は、私を置いてさっさと出て行ってしまう。
「ま、待ってくださいよ」
慌てて追いかけると、ちゃんと玄関の前で待っていてくれた彼。
外で独りになるは、短時間でもまだ不安だ。
「何がおかしい?」
「いいえ、なんでも?」