純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「意外と美味いじゃん」
「でしょ? って、意外はいりません!」
一生懸命作った料理を美味しいって食べてくれる人がいるのは、幸せだなと思う。
やっぱり結婚したいな……なんて思ってしまって。
二人で結構な量を平らげて、それからまた料理にかかる。
いくつもの惣菜を仕上げて、冷凍庫に押し込んだ。
「これで、何日かは健康ですよ」
「悪いな」
楽しかった。
昨日のあの悪夢のような出来事でさえ、一時忘れることができるほど。
時々つまみ食いに来る桐生さんの手をバチンと叩くのも、こっそり一人で味見しているのを見つかって、「俺にもくれ」なんて催促されるのも。