純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
大好きな彼
「安永さん、KNツーリストの歌津(うたつ)さんがいらっしゃいましたよ。会議室にお通ししておきました」
3つ下の後輩の、優奈(ゆな)ちゃんが私を呼びに来る。
「あ、はい。わかった」
彼の会社とは、長い付き合いで、ハネムーンについて全般的に任せている。
その方が、私たちがあれこれする手間が省けるし、専門知識のある彼らの方が、ずっと上手いプランも組めて、お客様も満足だ。
「おぉ、梓。ホントに、お前の要求はいつも厳しいな」
「ごめんね、歩(あゆむ)。でも、歩ならやってくれると思って」
「あぁ、まぁ……」
そうやって、書類を広げる彼は、私の恋人。
私たちはこうして仕事で知り合って、付き合って2年になる。