純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「助かりました。でも、仕事を休んでいるって、どうして分かったんですか?」
「電話が来たのよ。会いに行ってやってくれってさ」
「えっ?」
「桐生君が、梓は買い物に行ってないだろうから、ついでに食料もだって。相変わらずだよね、あの人」
知らなかった。
そんなことを桐生さんが……。
「大変だったんだ、梓」
「――はい」
思わず俯いてしまった私を何も言わずに見守ってくれるのは、仕事をしていた時と変わらない。
北川さんはいつも黙って私の仕事を見守ってくれて、失敗した時は一緒に謝ってくれて……北川さんがいたから、こうしてここまで来れたのだと思う。